- 子ども向けワークショップ
- 実績
- 2024.5.5
FC千代田さんインタビュー
サッカーを越えた経験や、地域との連携を大切にしているFC千代田さん。
「表現コーチ」や「卒団公演」を通して、定期的にダンスプログラムを取り入れてくださっている理由に迫ります。
らな:本日はよろしくお願いいたします!
中村さん:よろしくお願いいたします。
らな:本日、いくつか質問を用意してきているのですが、こちらが沢山質問をして答えていただくだけというより、楽しく1時間お喋りする中で、FC千代田さんと価値観を確かめ合ったり、そして、今後のプログラムにも活かしていきたいとも思っています!
中村さん:ありがとうございます。でもほんと、結構ね、明確にあるんですよ。TO MY HEROさんにお願いしている理由は。
らな:ほんとですか!
らな:今一緒に行っている取り組みとして、「表現コーチ」「卒団公演」「親子イベント」とあると思うのですが、何年か取り組んでいて、「こんな良いことが起こっているな」といったことはありますか?
中村さん:深堀りしていくと、サッカーもダンスも「表現」を(追求)していくには時間はかかると思うんですけど、ダンスは体を動かす要素の前に楽しむという要素があると思っていて、その分、表現というものに触れやすいと思っているんですね。それでいうと「表現コーチ」は、あの1時間という短い時間の中で、「表現」に特化した、凝縮した時間を過ごせると思っています。
しかもその1時間の中で、仲間や指導者に賞賛される場面とか、その認め合える経験を通して、「俺って最高だわ」とか「俺たちの学年って最高じゃん」みたいな、自己肯定感のようなものが上がっていくんじゃないかな、と。
らな:そうですよね。確かに「表現」が詰まった1時間ですもんね。もちろん、得意・不得意はあるとは思うんですけど、サッカーの時よりも「表現」する機会は多いのかもしれませんね。
中村さん:そう、あと、僕が苦しいのは…どうしてもサッカーってヒエラルキーができてしまうんです。だから、同じ組織の中でも違うものに取り組むことで、「お前ってこんな一面あったの?!」というところから、「お前って、こんな最高なんだね」といったようなことが生まれやすいと思っていて。
例えば、大人だと仕事面ではうまく活躍できてなくても、飲み会になったらめちゃくちゃ盛り上げられる人とか。笑
実はこんな風に活躍できるんだよって、お互いが気付けることを増やしていってあげた方がいいのかなと思っていて、サッカーの中で分けていくことにプラスして、全く違う分野で見直せるってことも、すごく大事だと思うんです。
らな:指導者視点だと、1個の視点だけでなく複数の視点から、選手を見るみたいな感じなんですかね?
中村さん:そうですし、選手同士でも、「こいつサッカー下手だけど、ダンスになるとめちゃくちゃすごくない!??」っていうところから、「そのノリでサッカーやってみたらいいじゃん!」となったら、最高だなって。
らな:理想ですね〜!
中村さん:僕なんか、心を解放するのにすごくハードルが高くて、それをやっぱり小さい時から(そのハードルを)超える体験をしたかったというのがあるんです。
らな:今だに、踊ってくれないですもんね!笑
中村さん:まあ…笑
中村さん:やっぱり、ミスしちゃいけないと教わってきたけど、今はミスを怖がって表現できないほうがダサいっていう時代になっているから、FC千代田としてもミスを怖がらずに表現していけるチームになりたくて、じゃあ、何に取り組んでいるのってなった時に、(当時)何も取り組んでいなかったのは嫌だったんですよね。
らな:改めて、聞くとすごい嬉しいし、そこにアプローチしたいって思いますね……!
中村さん:あと、負担かけているなと思いつつ、TO MY HEROの活動をしている時って、ほぼコーチが見ないじゃん。でも、あれが僕らからしたら素の子どもたちなんだよね。やらない人はやらないけど、でも、自然とやるようになるじゃん。
らな:あ〜、なんかそのチーム内でやばいんじゃないかという雰囲気になって、選手たちが自分たちで成長しようとしているなっていうのは、感じたことはありますよね。
中村さん:大人がやらせるんじゃなくて、「あれ、俺たち最初ふざけてたけど、なんか最後めっちゃみんな頑張ってね?」みたいになって、自分がやってる実感が湧くのって、すごく大事だと思うんだよね。
らな:こういう機会だから聞いてみたいんですけど、新しいことをするって何か変化が生まれる(今までになかった文化を発生させる)ので、そこで(新しい文化を受け入れていくような)調整が必要になってくると思うんですね。実は、「表現コーチ」を導入した当時、困った瞬間はありましたか?
中村さん:そんなにないんだけど…、新しく入ってきたアルバイトとか社員とかに、なんで「表現コーチ」を導入しているのかを説明するのが、最初は僕しかできなかったので、1番最初すごく大変でした。今は、マネージャー以上のコーチはみんなが説明できる様になっていて、選手がどのコーチに聞いても「表現コーチ」を行う意味を答えられるようになっています。マニュアルを作ってしまえば簡単だったのかもしれないですけど、それってすごく意味ないと思ったので。
らな:心からの言葉にはなりにくいですよね。
中村さん:その時、バンちゃん(NPO法人Compassion 代表:伴 元裕)たちと、メンタル面でのサポートを一緒にできたのが大きかったかな。
らな:じゃあ、伴さんたちとの掛け合わせもあって、浸透していったのですね。
中村さん:今思うと、浸透のスピードは早めるべきだったなと思いますけどね。
らな:これは単純に興味の話になってくるのですが…笑 TO MY HERO関係なく、FC千代田(のコミュニティ)としての展望はありますか?
中村さん:めちゃくちゃある。
スタッフで言うと、全員社長の組織を目指したい。なぜかと言うと、コミュニティを中心として、そのコミュニティに必要なことを、各スタッフが責任をもって考えて実行できたら素敵だと思うんですよね。スタッフがサッカーの指導スキルに止まらず、+αで活躍できるような組織にしたいんです。あとは、みんながこのコミュニティを中心に、いわゆる飯を食える状況を作んなくちゃいけないなと思っていて、それが実現できたら、目の前の数字に捉われず、本質的に好きなサッカーをしながら生きていけるになると思うんです。
らな:目の前の子どもたちに向き合うためには、大事なことですよね。
らな:FC千代田さんが、選手に期待していることはなんですか?
中村さん:これさ〜!最高の質問なんだよね!
答えは超シンプルで、自分のことを磨いている人間になってほしいな。好きなことを追求して、ワクワクしている人間になってほしいなと思います。人の意見とかさ、気にしないぐらい夢中になっていてほしいよね。
らな:なんか、前もお話しした時に「やり続けていれば認められるから」みたいなことをおっしゃっていたのを思い出しました…!
中村さん:人ってさ、素敵になっていくもんだと思う?それとも、元々素敵なんだと思う?
らな:後者ですね!
中村さん:俺もそう思うんだよ!素敵になっていくと思っているってことはさ、今は最高じゃないと言っていると思うから、俺はそれは違うと思うんだよね。
だから、その最高な一人一人の背中を押していきたいよね。
らな:最後に、TO MY HEROと一緒にこんなこと大事にしていきたいなとか、行っていきたいことはありますか?
中村さん:組織とか枠を越えた連携をTO MY HEROさんとやっていきたいなと思います。
例えば、バスケで頑張ってる子達と、サッカーを頑張っている子たちと何かをする間にTO MY HEROさんがいるとか。例えば、うちの6年生の子たちが、TO MY HEROさんの研修を受けて、子どもたちと触れ合わない企業に子ども達が研修してみるとか。そういった、社会連携をこの地域でしてみたいと思いますね!
FC千代田さん、ありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!